緻密化していないことそのものは大きな害ではなく、緻密化障害でも心機能は正常に働いているケースもたくさんあります。しかし、中には心室の筋肉の働きが低下して、心筋症の状態になっている場合があり、激しい息切れや不整脈などを起こして治療が必要な人もいるのです。
とはいえ、日本では詳しい発症頻度や予後についてははっきりしていない状況で、診療のガイドラインもありません。そのため、治療もまだ手探りです。一般的には、無症状な場合は経過観察を続け、症状が表れた人には病態に応じた対処が行われます。
心不全を起こしたときは、利尿薬、ACE(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、β遮断薬などの降圧剤が使用されます。不整脈の場合は抗不整脈薬を投与し、病状によってはペースメーカーの植え込みが必要になるケースもあります。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」