医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

高血圧編<1>135/85前後は「生活改善を頑張りましょう」

 診察室で血圧を測定すると、135/85前後の方はたくさんいます。ガイドラインの改定で、正常ではない「高値血圧」が数多く診断されることになります。しかし、薬物治療をスタートする目安の血圧が「140/90以上」であることは変わりません。

 つまり、「高値」血圧では、合併症があるケースを除いて、降圧薬を使わずに減塩や運動などの生活改善で正常域を目指すのです。そう、医師はそんな患者さんに「様子を見ましょう」と言います。その心は――。

「まずは薬を飲まず、塩分や脂っこい食事を控えたり、よく歩いたりして生活改善に気をつけて、血圧は朝食前の家庭血圧でフォローしましょう」

 そんな意味です。それで患者さんの血圧が安定していれば、次の診察も「また次も様子を見ましょう」となります。

 患者さんは毎回毎回、「様子を見ましょう」と言われると、「しっかり診てもらえているのかな?」と不安になるかもしれませんが、安定した数値に伴う「様子を見ましょう」が続くことは問題ないのです。

2 / 3 ページ

関連記事