ストレス社会の生き延び方

家族のサポートが不可欠 夫がうつに! その時、妻は…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 夫がうつになった時に不可欠なのが家族のサポート。では、どのようなことに気をつけてもらえばいいのか?

「一番良くないのは、『原因を聞く』です。本人が言わない限り、原因のほとんどは仕事です。そしてその原因のほとんどは、どうしようもできないこと。だから本人は言いたくない。逆に不安やつらさ、体の状況などは理解してほしい。なので、症状を聞いてもらい、そのとき、どうしたいのかも聞いてもらう。無駄なアドバイスは不要です」

 医者にかかるかについても注意を払いたいところだ。

「受診を勧められた時、多くの場合は拒否しないものです。ただ、医者に行くことに抵抗がある場合は、無理に受診する必要はありません。様子を見ながら、期限を決めて、それに従うのがいいでしょう。メンタル系の受診に抵抗を持つ人は、メンタルクリニックを受診するより、めまいなら耳鼻科、おなかの調子が悪いなら消化器科など、症状に合った科を受診する。そして一緒に受診してもらい、検査が一段落した時点で、メンタル系を受診した方がいいのかを医師や看護師に聞いてもらう。自分だけで悩まず、医療従事者を巻き込むことで、心の負担が軽くなります」

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武神健之

武神健之

東京大学医学部大学院卒。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。年間1000件の健康相談、ストレス・メンタルヘルス相談を行う。著書に「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」(きずな出版)などがある。

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