性感染症最前線

C型肝炎<1>複数の性交パートナーがいるとリスクが高まる

今は入れ墨で感染することはない

 A型肝炎、B型肝炎と並んで「C型肝炎」も性感染症のひとつに含まれる。C型肝炎ウイルス(HCV)は血液を介して感染するので、国内では1992年以前の輸血、HCVの混入した血液製剤、注射器の共有、入れ墨などが主な感染経路だった。しかし、いまは検査体制が十分整っているので、医療行為による感染は、ほとんどなくなった。

 では、どうしてセックスで感染する可能性があるのか。性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)の尾上泰彦院長が言う。

「C型肝炎は、HCVの持続感染者(キャリアー)の血液が他人の体内に直接入ることで感染します。ですから、一般的な男女間のノーマルなセックスで感染することはまれです。感染のリスクが高いのは、特にアナルセックス(肛門性交)など、粘膜が傷ついた状態でセックスすることです。いまはMSM(男性同性愛者)を中心とした性感染が増えているのです」

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