しかし、性風俗従事者を対象とした国内の調査では、HCV抗体陽性の頻度は、同年代の一般女性と比べて8~10倍高いと報告されている。複数のセックスパートナーを持つ人は、それだけリスクが高くなるといえる。
HCVに感染すると、2~3カ月で急性肝炎を起こす。しかし、自覚症状が乏しく、体が少しだるい、食欲がない程度で気がつかない人が多い。そして、最大の問題とされるのが、高率で慢性化すること。感染者の約70%が慢性肝炎に移行する。
国内のキャリアーは150万~200万人いると推計され、うち約30万人が自分の感染を知らないとされる。そのまま放置しているとB型肝炎と同じで、慢性肝炎から肝硬変、肝がんと進展する恐れがある。
意識障害を起こす肝性脳症、腹水、黄疸などの症状が出るのは肝硬変の中期以降になってから。こうなると、治療でウイルスが退治できなくなる。慢性肝炎のうちに早期発見、早期治療することが重要になる。
性感染症最前線