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熱に強い納豆菌と弱いナットウキナーゼをおいしく効果的に

納豆は日本の自然の中で生まれた典型的な風土食(和え物の過程の納豆)/(C)日刊ゲンダイ

 納豆には大豆由来の豊富なタンパク質と、その分解産物であるうま味アミノ酸、ビタミン類、腸内の善玉細菌のエサになるオリゴ糖などが含まれ、納豆菌自身も善玉腸内細菌となりうる。こんなに健康に良い風土食もない。ネバネバの糸はポリグルタミン酸。時間がたつと分解され、グルタミン酸となり、うま味が増す。なので、納豆をおいしく食べるコツは、何度もかき回すことではなく、かき回してから少し常温でおいて熟成を進めることである。

▽福岡伸一(ふくおか・しんいち)1959年東京生まれ。京大卒。米ハーバード大医学部博士研究員、京大助教授などを経て青学大教授・米ロックフェラー大客員教授。「動的平衡」「芸術と科学のあいだ」「フェルメール 光の王国」をはじめ著書多数。80万部を超えるベストセラーとなった「生物と無生物のあいだ」は、朝日新聞が識者に実施したアンケート「平成の30冊」にも選ばれた。

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