Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

緩和ケアには延命効果 病棟の順番待ちを諦めてはいけない

見過ごせない延命効果

 緩和グループは、治療開始から3週間以内に緩和ケアチームが患者に面談。その後は月に1回以上、痛みの治療や精神的なケアを行っています。

 3カ月の延命効果というとわずかと思うかもしれませんが、終末期の方を対象とした研究だけに決して小さくありません。緩和ケアに延命効果があることを純粋に注目すべきでしょう。

 病棟の順番待ち問題の解決はすぐには難しいですが、緩和ケアは在宅でも受けられます。諦めることなく、在宅で診てもらえるかかりつけ医の治療を受けながら、順番を待つのが無難です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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