医者も知らない医学の新常識

脂肪細胞に原因が…肥満のダイエットが難しいのはなぜか?

写真はイメージ
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 健康診断で「肥満」と言われれば、誰でも痩せようとダイエットを始めます。しかし、ほとんどの人は三日坊主で終わりますし、いったん成功しても、短期間でリバウンドしてしまうことが多いのが実際です。ダイエットに失敗した太めの皆さんは、「自分の努力が足りない」ことを責めるのですが、本当にそれは個人の責任でしょうか? 肥満の人が痩せることが難しいのは、精神力以外にも原因があるのではないでしょうか? 

 その原因のひとつと考えられているのが、脂肪細胞の燃えにくさです。余分なエネルギーを人間の体は脂肪細胞の中に、中性脂肪として蓄えています。その脂肪が熱のエネルギーに変わるのが、「脂肪が燃える」という状態です。運動をしても、容易に脂肪は燃えません。しかし、たとえば凍えるほど寒くなると、体は身を守るために脂肪を燃やして熱に変えます。つまり、条件によっては、脂肪は意外に簡単に燃えるのです。

 今年の生物科学の専門誌に掲載された論文によると、肥満で体に増える「終末糖化産物」という物質があり、それが脂肪細胞に結合すると、脂肪が燃えなくなる、ということが分かりました。少し食事を減らしてダイエットをしても、脂肪細胞はもう脂肪が燃えない状態になっているので、効果はあまりないのです。

 肥満が解消しない原因は、どうやら脂肪細胞自体にありそうです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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