暑くなると陰嚢が垂れ下がるのは、体温が高くなったお腹から離れて、陰嚢の表面積を広げて、汗による放熱で精巣を冷やすためだ。その意味では、夏に熱がこもりやすいブリーフやビキニをはくのは考えものだ。
米国ハーバード公衆衛生大学院の研究チームが、ピッタリとフィットする下着をはいている群と、トランクスのような緩いタイプの下着をはいている群とに分けて精液検査の結果を比較したところ、ゆるいタイプの下着をはいている群の方が精液濃度で25%、精子総数で17%、運動精子濃度で33%も高かったという。
■かゆみが重大病の前触れになるケースも
陰嚢は精子の製造を続けるため、夏場はより多くの汗をかく。蒸れてかゆみが出るのは当然だ。
「一般の人の中には股間のかゆみというと、淋病や梅毒のような性病をイメージする人がいますが、ほかにもいくらでもあります。例えばインキンタムシです。股間にかゆみがある場合に最も頻度が高い病気で、正式には『股部白癬』と呼ばれます。皮膚糸状菌(白癬菌)というカビの一種が股間に感染したものです」