病み患いのモトを断つ

冬でもないのに腰痛悪化…予防するなら腹巻きがいいワケ

寝室のエアコンは28度でつけっ放し
寝室のエアコンは28度でつけっ放し

 夏は、寒い時季より血管が拡張して、血流はスムーズになる。脱水でなければ、が前提の一般論だが、最近はこれが通用せず、肩凝りや腰痛に苦しむ人が珍しくない。そんな不調をためると、寝違えやぎっくり腰で思いもよらぬダメージで苦しむことになるという。南石鍼灸治療院の朴宰弘院長に聞いた。

 東京や名古屋、大阪などの都市部は連日、35度以上の猛暑日だ。こう暑いと、昼も夜もクーラーが欠かせない。使うのは結構だが、特に寝るときのクーラー使用は、工夫が重要。その一つが、衣類だ。

 暑いから、短パンとTシャツで涼しく寝たい。そう考える人は多いだろうが、それがよくない。

「タオルケットなどを掛けていても剥いでしまったり、寝ているうちにTシャツがめくれ上がったりします。そうすると、腰回りがクーラーの冷気にさらされて冷える。Tシャツだと、首回りも冷えやすい。1日くらいなら大したことがなくても、それが何日も積み重なると、腰痛や肩凝りを悪化させます。何も対策をしないでいると、あるとき無理が利かなくなり、寝違えやぎっくり腰を起こすのです。クーラーを使うなら、首や腰の回りをガードするパジャマがベターでしょう」

 なるほど、記者も夏は短パンとTシャツで寝ているが、目を覚ましたときに腰に重だるさを感じることがある。寝相の悪さのせいだと思っていたが、そういうことか。

「どうしても短パンとTシャツがよければ、せめて腹巻きで腰回りの冷えを防ぐことです」

 風呂上がりにビールでも飲んで、サッパリしてから寝ようとすると、ビールの利尿作用で汗が出やすい。

■室内のエアコンは28度でつけっ放しに

 その暑さをクーラーで冷やすと、必要以上に設定温度を下げてしまいがちだ。

「東京なら、設定温度は最低気温と同じくらいの28度で十分。その設定温度のままベッドの周りを扇風機で弱風を送れば、送風効果で体感温度が下がります。多くの人は、クーラーのみで冷感を得ようとするので、設定温度を下げ過ぎて、冷えによる不調を助長するのです。これくらいの設定温度でタオルケットをしっかり掛けて寝る方がいい」

 28度なら冷え過ぎることはなく、クーラーも扇風機も朝までつけっ放しでいいという。

 夏は入浴せず、シャワーで済ます人が多いだろうが、毎日でなくても週に2回は入浴する方がいい。入浴するときは、肩まで漬かってしっかりと温まる。もちろん、腰や肩の血行を改善するのが狙いだ。

「これだけの猛暑になると、外出がおっくうになり、運動不足を招きます。それで自宅や職場の涼しい環境ばかりにいると、夏はむしろ血行は悪くなりやすい。そこにクーラーの冷えが重なると、肩凝りや腰痛が悪化するのは当然。だからこそ、冷え過ぎのダメージをなるべく少なくする工夫が欠かせないのです」

 思い当たる人は、今すぐチェックしよう。

関連記事