猛暑に気を付けたい病気

【帯状疱疹】皮膚の痛みや水膨れが現れたらすぐ受診すべき

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 皮膚疾患のひとつ、帯状疱疹は、子どものころに水ぼうそうにかかったことがある人なら、だれでもリスクがある病気だ。日本皮膚科学会認定専門医で帯状疱疹に詳しい「中野皮膚科クリニック」(東京・中野)の松尾光馬院長が言う。

「帯状疱疹は、水ぼうそうにかからないと発症しません。水ぼうそうの原因ウイルスである『水痘・帯状疱疹ウイルス』は、水ぼうそうが治った後も脳や脊髄の感覚神経節に潜んでいます。普段はおとなしくしているのですが、加齢や過労などで体の免疫力が低下すると活性化し、増殖して神経に沿って皮膚の表面に移動する。その時に神経を傷つけて痛みを起こすのです」

 この帯状疱疹、意外に思うかもしれないが、「猛暑に気を付けたい病気」だ。「夏に水ぼうそうが“減る”」ということと関係している。

「私たちの体は、ウイルスに感染すると、それを攻撃する細胞性免疫という免疫を高めるようにできています。水ぼうそうに感染した後に上がった免疫は、水ぼうそうが増える冬に水ぼうそうの子どもと接すると、水痘・帯状疱疹ウイルスが新たに体に入ってさらに高まります。ところが夏は水ぼうそうが少なく、免疫が高まりにくい。それによって帯状疱疹が発症しやすくなると推測されています」(松尾院長=以下同)

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