後悔しない認知症

高島忠夫さんの家族が知らずに悔やんだ介護サービス

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それを回避するために欠かせないのが「介護保険制度」の利用だ。いまから約20年前に制定された制度だが、残念なことに、この制度でフォローされるサービスの詳細を知らない人が少なくない。

 ケアマネジャーの指導、ヘルパーの訪問介護、デイサービスなどを受けるためには、市区町村の窓口で申請を行い、介護認定調査員の調査を受けた上でかかりつけ医の意見書をもらって要介護認定をもらうことが必要だ。受給している年金の額などによって異なるが、1~3割の自己負担額で各種のサービスが受けられる。

 デイサービスの場合、要介護認定者を送迎してくれ、施設で数時間預かってもらえる。そこでは食事や入浴のサービス、機能訓練、レクリエーションなどが行われる。また介護ヘルパーによる訪問介護では、地域によってサービスの内容や自己負担額は異なるが、掃除、洗濯、入浴、食事の用意、買い物、散歩などさまざまなサービスが受けられる。こうした介護サービスは子どもにとっては心身の負担を軽減する強い味方になる。

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和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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