医者も知らない医学の新常識

害を減らして健康効果を得るために…紫外線は昼間に浴びる

ビタミンDをつくる働きがある「B波」は昼間に多い(C)日刊ゲンダイ

 紫外線の強い日が続いています。紫外線は皮膚の細胞の遺伝子にダメージを与え、皮膚の免疫力を低下させるので、皮膚がんの原因になります。皮膚がんの一つである扁平上皮がんは、日差しを浴びる鼻の頭では、胸や背中の200倍も多い、という統計があるほどです。

 しかし、紫外線には骨に必要なビタミンDをつくるという、健康にいい作用もあります。そのため骨粗しょう症の予防のためには、紫外線を浴びることが必要なのです。

 それでは、紫外線とどのように付き合っていくのがいいのでしょうか? 紫外線には波長の長い「A波」と短い「B波」という2種類があります。このうちA波は皮膚のより深い場所まで届くので、皮膚がんの主な原因となります。

 一方でB波はビタミンDをつくる働きがあり、皮膚の表面にしか影響を与えません。ただ、日焼けで皮膚が炎症を起こしたり、やけどのようになるのは、B波の影響なのです。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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