猛暑に気を付けたい病気

【起立性低血圧】夏バテは前触れ…中高年は飲食後に要注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 生活習慣病のある人は脳梗塞や心筋梗塞、心不全になりやすく、認知症や意識障害などが出ることも。

「夏に低血圧になるのは体温を下げるため皮膚の末梢血管を拡大して血液量を増やし、それを材料にして汗をつくるからです。脱水傾向も重なって血液量・血流が減り、心臓が動脈に送り出す心拍出量も低下して血圧を下げるのです。夏の血圧は冬に比べて5~10㎜Hg以上、下がるといわれています」

 だからこそ寒い時に高血圧と診断され、降圧薬を処方されている人は家庭血圧を測定して自覚症状がなくとも医師と薬の量を相談すべきだ。

 病的な低血圧には、心筋梗塞・心不全や不整脈、甲状腺機能低下症など原因がはっきりしている「症候性」、原因がない「本態性」などがあるが、今、注意したいのが急に立ち上がった時に起こる「起立性」だ。

「人は、立ち上がった時に脳へ向かう血管(頚動脈)の血流は一瞬減ります。健康な人はその情報を頚動脈洞センサーが感知して自律神経を介して脳へ伝え、脳が反射的に心臓に指令を出して心拍数を上げます。その一方で、下がり始めた血圧を食い止めるため、脳が下半身の末梢血管に収縮するよう指示。この2つの働きのおかげで脳が虚血状態にならないようにしているのです」

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