性感染症最前線

ペニスの裏から黄白色のグミ状物質が…「タイソン腺」の謎

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 尖圭コンジローマとは、性器や肛門に先のとがった小さなイボがたくさんできる性感染症。皮膚や粘膜の微小な傷からウイルスが侵入して感染する。一方、タイソン腺にできたグミのような物体は、生理的に分泌されている脂肪性物質の塊なので病気ではない。医療機関を受診すればきれいに取り除いてくれるという。

 タイソン腺は皮脂腺の一種で「包皮腺」とも呼ばれる。皮脂腺は通常、体毛1本に対してそれぞれ存在し皮脂を分泌して皮膚や毛を保護している。毛のないペニスの亀頭冠や包皮には、特有な皮脂腺が発達した包皮腺として存在している。包皮腺は女性にも大陰唇、小陰唇、陰核や陰核包皮の周囲にある。分泌される脂肪性物質は、無色無臭の皮脂と違って黄白色チーズ様で臭みがある。なぜなのか。

「タイソン腺に代表される包皮腺の分泌液の臭いが強いのは、ワキガの原因となるアポクリン腺の分泌物と同じように、動物である人間が、かつて異性を引きつけるためのフェロモンの役割を果たしていた名残という説があります。ハッキリしたことは分かっていません。その包皮腺の分泌物が脱落した包皮の上皮細胞と混ざって恥垢(ちこう)となるのです」

 恥垢とは俗に言う「ちんカス」や「まんカス」のこと。特に男性の包茎は、ちんカスがたまりやすく、細菌による感染症の温床になる。入浴時には、亀頭のカリの部分や裏筋付近はやさしく入念に洗うようにしよう。

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