Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

死亡者は85年の2倍に がん検診の"適齢期"は75歳まで

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そんな悲劇を免れるための検診ががん検診。一般論としての上限は、75歳といえるのです。

 たとえば、胃がんのためのバリウム検査は、便秘や腸閉塞などのリスクがあります。高齢で腸の働きが衰えると、そのリスクは増すため、独自に上限を定める自治体も出てきました。長野県伊那市や愛知県田原市などでは、バリウム検査の対象年齢を79歳までと定めています。

 もちろん、検査や治療の適応力は一人一人の体力や病状によっても変わります。一概にはいえませんが、がん検診には“適齢期”があることを頭に入れておいて損はないでしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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