20~40代に増加中「子宮頸がん」早期発見でも喜べない理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「しかし早期発見で円錐切除術がOKだとしても、前述の通り、リスクがある。初期の異形成ではがんになるかも分からないのに、定期検査を受け続けなければならない。より問題は、子宮頚がんには扁平上皮がんと腺がんがあり、近年増えている腺がんは、検診では早期発見が困難といわれている。子宮頚がんの検診には限界があると考えざるを得ないのです」

 検診での早期発見は2次予防であり、必ず治療を伴う。一方、子宮頚がんの1次予防は、HPVの感染を防ぐことだ。

「1次予防と2次予防を混同してはいけない。感染しなければ前がん病変ができず、子宮頚がんにもならない。ワクチン接種でHPV感染と前がん病変発生を予防できることは、大規模な臨床試験で証明されています。いち早く定期接種プログラムを開始した欧米では、HPV感染率、前がん病変発生率が大幅減少。感染から子宮頚がんになるまでは人によって大きく異なりますが、接種開始20年以降は、欧米では子宮頚がんは希少がんになる可能性が大きい」

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