私は、大学、大学院、ポスドク(研究見習)、と独身貧乏生活が長く続いたので、よく自炊をしていた。
冷凍庫には、細く切った油揚げをジップロックに入れて常備していた。お味噌汁の浮き実に少々、炒めものに少々、といつでもどこでも使えるので、大変重宝した。油揚げはダシや汁の味をよく吸うので、何にでも馴染んだ。実際、油揚げは、きつねうどんにも、いなり寿司にも、おでんの巾着にも利用され、広く食材として使われている。
油揚げはその名のとおり、薄く切った豆腐を油で揚げたもの。これが庶民の味として普及したのは、江戸時代の半ば、それまで明かりをともすための高級燃料だった油が、大豆や菜種、ごまなどから比較的安価に作れるようになってからのこと(これら油を搾るための植物を油糧種子という)。
そして各地で、その風土に合わせたご当地油揚げが生まれていった。私は、京都の下宿で学生生活を送っていたので、大ぶりで上品な味の「京揚げ」に親しんだ。新潟には「栃尾揚げ」が、宮城には「三角定義揚げ」が、愛媛には「松山揚げ」が、それぞれ名物としてある。
ようこそ!不老不死レストランへ
木綿豆腐の2.5倍のカルシウム 3倍の鉄分を同じ風土食の梅ソースで
抗酸化成分サポニン、コレステロール低下作用レシチンを含む健康食