医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

境界型で明暗 初診患者は基準値超えでもすぐに投薬せず

ひとまず生活改善をするのが大切

 糖尿病の生活指導は厳しいイメージがあるかもしれませんが、基本はメタボの改善で、腹八分目の食事や適度な運動、野菜の摂取などにより、体重を5~10%減らすことを目標にします。禁煙や節酒も欠かせません。

 境界型の人は、「まだ糖尿病でないから、生活改善はしなくてもいい」と軽く考えがちですが、生活改善にしっかりと取り組んだ人は、そうでない人に比べて、2型糖尿病の発症を最大7割予防できるという報告があるのです。

 そんな研究結果を受けて、初診患者さんが「境界型」なら、「様子を見ましょう」と伝えます。血糖値の推移が分からないため、今が治療の適切なタイミングか判断できず、ひとまず生活改善の大切さを説明し、血糖値がどの程度、改善するかチェックするのです。

 ただし、65歳以上の高齢者は、血糖値のほかにも脂質や血圧、体重といった注意すべき項目が多いのが一般的。

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