医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

境界型で明暗 初診患者は基準値超えでもすぐに投薬せず

ひとまず生活改善をするのが大切

 生活習慣の改善がベターでも、私自身の経験からも、実現するのはなかなか難しいでしょう。

 若い方も含めて初診から何度かの治療で様子を見たら、薬物治療に切り替えます。読者の方は、「糖尿病は血糖値が上がる病気」と思っているかもしれませんが、それは間違いで、ある一定の幅を超えて上がったり、下がったりする病気が正解です。そうすると、薬を飲むと、血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こしかねません。

 一般に血糖値が60になると、発汗や動悸、手指の震え、悪寒などの症状が表れ、50になるとめまい、脱力感、視界がぼやけるといった症状に。さらなる低血糖は生死に関わりますから、薬物治療スタート直後や薬の変更直後の異変は、すぐにかかりつけ医に報告してください。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

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