病み患いのモトを断つ

関根勤は"九死に一生" 動脈硬化を防ぐ炭水化物の食べ方は

まずはサラダから
まずはサラダから(C)日刊ゲンダイ

 3年前に心臓を養う冠動脈に狭窄が見つかって手術を受けたタレントの関根勤が、今度は首の血管の狭窄も判明したという。2回とも不幸中の幸いで、完全に詰まることはなく、心筋梗塞や脳梗塞といった大事に至ることはなかったが、これらの病気はメタボとの関連が深い。スマートな66歳には意外だろう。これまで報じられている関根の生活習慣から、動脈硬化の予防法を探ってみよう。専門家に聞いた。

 関根は酒も飲まず、たばこも吸わない。昔から適度な運動を心掛け、今では孫との30分の散歩が日課だ。父を心筋梗塞で亡くしたことから、健康管理に気を配るようになったという。

 ところが、3年前には3本ある冠動脈のうち2本は、75%狭窄し、今回の頚動脈は50%狭窄していた。昨年4月30日付の読売新聞によれば、〈毎年6月に人間ドックを受けている。コレステロール値が高いといわれていたが、異常に高い数値ではなく、気にとめていなかった〉そうだ。

 東京都健康長寿医療センターの桑島巌顧問(循環器専門医)が言う。

「悪玉と呼ばれるLDLコレステロールの基準値は140(㎎/デシリットル)。一般の方は、『150~160程度なら、まだ大丈夫』と軽く考えがちですが、そんなことはありません。関根さんのように家族歴があれば、なおさらです」

 コレステロール値を上げる食事とは、どんなものなのか。関根といえば芸能界屈指のカレー好きで、東京・東銀座のナイルレストランに40年以上通い続け、東麻布のスーリヤと家族ぐるみの付き合いなのは有名で、2年前に「人生最高レストラン」(TBS系)に出演した時も、「日本一のカレー」としてその2店を取り上げている。ほかにチョイスしたのが、渋谷「いちのや」の上うな重と東銀座AOIのハンバーグライスだった。

「炭水化物がよくなかったのではないか」と言うのは、クリニックでの栄養指導の経験もある横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)だ。どういうことか。

「血糖値が正常な人でも、食後高血糖状態になることがあります。そういう人は、糖尿病でなくても、動脈硬化が進み、心筋梗塞などを起こすリスクが高い。関根さんがそうかどうか分かりませんが、共通するのは炭水化物で、うなぎやハンバーグなどいずれも高カロリーです。特に早食いだと食後高血糖を招きやすいので、可能性はなくはないでしょう」

■食後には30分程度散歩を

 ナイルレストランのムルギーランチは、煮込んだ鶏肉と野菜と混ぜて食べるインドカレーで、若い頃はご飯大盛りでも足りなかったそうだ。スーリヤではカレーの前にチーズナンを楽しみ、窯で焼いた鶏が好物らしい。

 過剰な炭水化物による食後高血糖が、動脈硬化を助長した危険性はあるだろう。カロリーも高そうだ。

 では、動脈硬化を予防するには、どんな点を注意すればいいのか。

「肉に含まれる飽和脂肪酸がコレステロール値を引き上げるので、その対策には肉の量を1日の総摂取カロリーの7%以内に抑えることです。牛肉なら100グラム以内。その代わりに、不飽和脂肪酸のEPAを摂取するといい。イワシやサバなど青魚に多く含まれます」(桑島氏)

 関根も冠動脈疾患後は、野菜を増やして、タンパク源は豆や魚を中心に取っているようだ。

 では、食後高血糖を防ぐにはどうするか。

「食べる順番として、繊維質、タンパク質、炭水化物の順で取ると、繊維質が糖の吸収を抑え、食後高血糖の予防になります。その上で食後30分から2時間以内に30分程度の散歩をすれば、バッチリです」(則岡氏)

 仕事があるし、毎食後に散歩するのは難しいだろうが、せめて3食のうち比重が重い夕食後にやるといいだろう。

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