進化する糖尿病治療法

糖尿病になってから逆においしいものを食べる機会が増えた

スパイスのセットで手作りカレー

 都内在住のMさん(55)は、40代後半で糖尿病と診断されました。当初は栄養士の食事指導を厳密に守っていたのですが、もともとは食べることが大好きな性格。外食を楽しめない生活がストレスになり、半年ほどで「これでは長続きしない」と気付いたそうです。

 それ以降は、「食べたいものを食べるけど、糖尿病であることを意識する」ように心掛けるようにしました。

 たとえば、カレーライスや丼、牛丼、チャーハンといった炭水化物が大半を占めるようなメニュー1品を食べるようなことはしない。何でも気軽にオーダーできる便利な世の中にはなりました。Mさんの場合は、カレーライスなどを食べたい時は、自分の希望通りの内容にできるよう、自宅で作ることも多かったそうです。

 カレーなら、市販のルーには小麦粉が入っているので、スパイスのセットを買ってきて、自分で作る。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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