仮設入居者の大半の老人は、外に出ることなく、1日に30分も歩くことはない。股関節の治療に金属を入れた車椅子の入居者もそうである。
一日中、狭い部屋に閉じこもり、周囲住民との会話もなく、孤独な生活――。
ところが次第に、懐かしいカラオケの歌に魅せられて、会場に顔を出し笑顔を見せる人が増えてきた。車椅子の高齢者も4点づえを利用して、外に出てきたという。
昨年、240戸の仮設住宅が閉鎖され、今年から6棟の復興住宅に替わった。それでも、カラオケ中心の音楽レクリエーションは、この施設のほか5カ所でも実施しているという。
歌って健康になる