更年期を知って夫婦円満

閉経後に生活はどう変わったか?更年期世代に聞いてみた

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「閉経で“女”が終わった……」

 このような言葉を耳にすることがあります。私自身はそこまで思わないにしても、長く付き合ってきた月経がなくなるのは寂しいと感じていました。実際はどうなのか? 周りの更年期世代の女性に聞いてみると、意外にもよいこと尽くしの声が多かったのです。

 PMS(月経前症候群)や生理痛などに悩まされてきた方からは、「毎月の月経とサヨナラできる」「いつでも終わってほしいと思っていた」。私もPMSで悩み、対処に苦労した記憶がよみがえりました。

 旅行好きな方からは、「月経を心配せず旅の日程を組め、温泉だって確実に入れる」「月経の日がぶつかる旅行は、旅館のシーツを汚すかもしれないと余分にタオルや着替えを持参し、生理用品も含めると荷物が大変だった」という話が出ました。出張の多い仕事の方も似た意見でした。

「水泳など好きなスポーツを思いっきり楽しめる」「閉経直後は生理用品を買うなどの習慣的なものがなくなり落ち着かなかったけど、毎月のうっとうしさから解放されて今は喜びしかない」といった声も。

 閉経をまだ迎えていない女性からは、「月経に悩まされることなくサバサバしている印象で、閉経後の女性が羨ましい」とまで! 

 ポジティブな考え方によって、閉経のイメージがこんなにも変わるのだと感じました。月経中の妻のつらそうな姿を見てきた男性も少なからずいると思います。閉経後は旅行や運動など一緒に楽しめることが増えるかもしれませんね。

 ただし、ぜひ頭に入れておいてほしいことがあります。月経から解放された喜びのあまり、閉経以降、婦人科を受診しなくなる、または機会がぐっと減る方が珍しくありません。女性ホルモンのエストロゲンは体全体の健康を支える役割があり閉経以降は骨粗しょう症など病気のリスクが高まります。更年期の不調がなくても、自分の健康を守るために婦人科を定期的に受診してください。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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