愉快な“病人”たち

「闇から現実に帰ってきた」宮本亜門さんが語る前立腺がん

宮本亜門さん(C)日刊ゲンダイ

 医師から提示されたのは「ダヴィンチでの前立腺全摘出」でした。手術支援ロボットのダヴィンチは以前シンポジウムに参加したことがあり、成功率が高く、体へのダメージが少ないことは知っていました。ただ、がんはセカンドオピニオンが大事だと思ったので、知人にも相談しました。

 ある方からは「切らなくてもいいのがある」と重粒子線治療を行う病院を紹介してもらいました。でも「ホルモン治療を併用して治療に2年ぐらいかかるかもしれない」と言われたとき、すでに数年先まで国内外の仕事で埋まっていたので通院できるかどうかが不安に……。しかも、ホルモン治療の副作用で自律神経が不安定になり、感情がコントロールできなくなるのは演出家として非常によくない。結果、ダヴィンチでの全摘手術を選択しました。

 手術は全身麻酔で、2時間ぐらいで終わったようです。出血はほとんどなく、30~50㏄程度とのことでした。名前を呼ばれて目覚めたときは、ボーッとしながらも闇から現実に帰ってきたような幸福感がありました。

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