役に立つオモシロ医学論文

樹木の多い生活環境は健康に良い?米医師会誌に研究論文が

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 緑地の多い環境で生活をすることは、なんとなく健康に良いイメージがあります。居住地近隣の緑地環境と健康状態の関連性を検討した研究論文が、米国医師会誌が発行するオープンアクセスジャーナルの電子版に2019年7月26日付で掲載されました。

 この研究では、オーストラリアに在住の4万6786人(平均61・0歳)が対象となっています。被験者に対して、心理的な苦痛を感じているかどうか、医師によるうつ病や不安症の診断があるかどうか、自身の健康状態について調査を行い、居住地から半径1・6キロに占める緑地面積の割合(%)との関連性が評価されました。緑地は樹木、草地、その他の緑地の3種類に分類されています。また、研究結果に影響を与えうる、年齢、性別、経済状況、教育水準などの因子について、統計的に補正を行い解析しています。

 平均で6・2年にわたる追跡調査の結果、樹木の占める割合が0~9%の環境に居住している人と比較して、30%以上の環境に居住している人では、心理的苦痛を訴える人が31%、自身の健康状態が悪いと評価した人が33%、統計学的にも有意に低下しました。なお、うつ病や不安症の診断を受けた人については緑地環境との関連性を認めませんでした。また草地やその他の緑地環境と健康状態にも関連性を認めませんでした。

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青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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