上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

見た目の「若返り」が健康長寿に大きくつながる

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 これを繰り返していると、ある時点で見た目が2~3歳くらい若返ってきます。新しいものを受け入れると気持ちの刺激になります。外を出歩き、コミュニケーションをとり、食べ物を含めた生活習慣を時代に合わせることが若返りにつながり、健康維持にいちばん役立つのです。

 これができている人は、いくつになっても自分が年を取ったということを意識していなかったり、認めていません。これが見た目の若さと元気の源になるのでしょう。

 逆に自分が年を取ったことを受け入れてしまい、行動しなくなって時代から取り残された時点で老化が始まります。

「青春とは人生のある期間を指すのでなく、心の持ち方をいう」

「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときはじめて老いる」

 まさに、アメリカの詩人サムエル・ウルマンの「青春の詩」の言葉がいまになって蘇るのです。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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