食中毒を起こしやすい時季にあって、こと家庭での発生を考えると、腸炎ビブリオも侮れないという。
「腸炎ビブリオは、感染性胃腸炎を起こす細菌のひとつです。塩分を好むため、魚を三枚におろして塩を振ったりすると、増殖が活発化する環境が整う可能性があります。そのまな板をしっかり洗えばいいのですが、そのまま別の食材を切ったりすると、まな板についた腸炎ビブリオがその食材に付着して、感染することがあるのです」
かつては魚をさばいたまな板でキュウリの塩もみをしたところ、キュウリに腸炎ビブリオが付着。魚は焼いて食べたが、キュウリが生だったため、腸炎ビブリオ食中毒事件として報じられたこともある。
「腸炎ビブリオは、3%の塩分濃度で最もよく増殖し、そのスピードが速い。しかし、10度以下ではほとんど発育せず、熱に弱い。鮮魚と野菜などを扱うまな板は分けて、調理は手早く。まな板の使い回しはご法度です」
病み患いのモトを断つ