もちろんアプリを使わなくても、データ管理はある程度まで可能です。数字をメモ帳に書き留めておけばいいのです。パソコンがあればExcelに手入力して、グラフを作ることもできます。
ただ、毎日忘れずにメモしたり入力したりするのは、意外と手間で長続きしません。その面倒を省略しただけで、健康管理のアプリがこれほど普及したのです。
ただし、課題が残されています。ひとつはメーカー互換です。オムロンのアプリはオムロン製品しか使えませんし、他社も同様です。オムロンの血圧計とタニタの体重計とテルモの体温計を、ひとつのアプリで管理しようとしても無理なのです。すべて同じメーカーで揃える必要があります。
またスマホにたまった自分のデータをパソコンなどに取り込んで、自分で加工しようとしても、なかなかうまくできません。データをすんなりとダウンロードできるようになっていないのです。それが簡単にできれば、機器の選択の幅も、データの使い道も、今よりずっと広まるに違いありません。
しかし、そんなことを実現できる方法が、実際にあるのでしょうか。
計測するだけでデータ自動送信 IoTの実現が今や簡単に
- 2019年09月12日
永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。