独白 愉快な“病人”たち

一時は絶望のドン底…ノブナガ岩永達彦さん語る機能性難聴

岩永達彦さん(C)日刊ゲンダイ

■「聞こえない」病気なのに母親が電話してきた

 すぐに大きな病院の耳鼻科を紹介されて、聴力検査や脳波などを測り、器質的には正常であることがわかりました。つまり、原因は精神的ストレスです。病名は「機能性難聴」で、ほぼ両耳は聞こえておらず、日常生活も難しい状態との診断でした。精神科でも診察があり、そこでは適応障害とか、うつ寸前とか、いろいろあって「とにかくノンストレスな生活をするように」と言われました。仕事はドクターストップになり、処方された薬を1週間ほど飲みました。

 ノンストレスで何も考えるな……と言われても、両耳が聞こえない状況でそれは無理ってものです。

 初めの数日はまったく治る気がしなくて絶望のどん底でした。お笑いどころじゃなく、生活が厳しいわけで、マイナスなことばかり考えていました。

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