性感染症最前線

陰部の潰瘍が口にも同時に…「ベーチェット病」を疑うべき

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ベーチェット病で外陰部潰瘍ができるのは、男性では4割前後、女性では6割前後。男性では陰のう、陰茎、亀頭に、女性では大小陰唇、腟粘膜に痛みを伴う潰瘍ができます。べーチェット病は、多く(9割近く)の場合で口腔内粘膜のアフタ性潰瘍ができるので、口の中と陰部の両方に潰瘍ができたらべーチェット病を疑う必要があります」

 陰部の潰瘍は、口内炎ほど再発が多くないが、瘢痕(はんこん)が残ることがある。また男性では副症状として1~2割程度に「副睾丸炎」がみられるという。

 国内の発生頻度は人口10万人当たり0.2人と非常にまれだが、「陰茎がん」も性感染症と似たような病変ができる。初期では痛みなどの自覚症状がないので要注意だ。

「陰茎がんの病変は、カリフラワー状の腫瘤(しゅりゅう)や浅いびらん、周囲が隆起した深い潰瘍が生じることが多い。これらの病変は尖圭(せんけい)コンジローマ(イボ)、性器ヘルペス、梅毒などの性感染症と同じです。とにかく早く受診して鑑別することが重要です」

 放置は危険。肝に銘じておこう。

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