医者も知らない医学の新常識

脳卒中が増加?菜食主義のダイエットが健康に与える影響は

写真はイメージ

 肉ブームがある一方で、菜食主義にも根強い人気があります。菜食主義の食事というのは、肉や魚を食べないことで、より厳しい「ビーガンダイエット」と呼ばれるものは、更に乳製品や卵も禁止するというものです。このような菜食主義のダイエットは、健康面ではどのような影響があるのでしょうか? 

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という権威ある医学誌に、それについての研究結果が報告されています。イギリスで5万人近い一般住民を18年以上という長期間調査したところ、肉を食べる人と比較して、魚は食べるが肉は食べない人は13%、菜食主義者では22%、心筋梗塞などの心臓病のリスクが低下していました。

 その一方で脳卒中に関してみると、菜食主義者は肉を食べる人より20%も、そのリスクが増加していました。より細かくみてみると、菜食主義者で増えているのは出血を伴うような脳梗塞でした。つまり、肉や魚を一切食べない食生活は、心臓の病気は減らしますが、脳の病気は増やしているという結果です。その原因は不明ですが、徹底した菜食主義では、タンパク質や脂質が不足する傾向があり、それが脳の血管を弱くした可能性が考えられます。菜食主義の方は、必要な栄養素が取れているかどうか確認することが、健康のためには必要かも知れません。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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