医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

腕と足の血圧で測定 動脈硬化検査で異常あれば血管内治療

カテーテル治療の後は生活習慣をきちんと治療(C)PIXTA

 CAVIは9・0を超えると、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすく、ABIは0・9を下回ると足の動脈が詰まる閉塞性動脈硬化症に。閉塞性動脈硬化症そのものは命の危険はありませんが、放置すると足の壊疽を起こして足切断の恐れもあるほか、将来的には心筋梗塞や脳卒中を併発しやすいので、やっぱり侮れません。

 頚動脈の狭窄を調べるのが、頚動脈エコー。首に当てたプローブから超音波を照射するだけですから、これも簡単でしょう。

 いずれかの検査で異常が見つかり、カテーテル治療で狭窄を解消すれば、入院期間も短くて済みます。仕事への支障もほとんどありません。仕事と治療を両立する上でも大きなメリットがあります。

 治療後も不摂生を続けたら、せっかくの治療も台無しです。再び動脈硬化が進み、やがて心筋梗塞を起こしかねません。ですから、カテーテル治療の後は、原因となった生活習慣病をきちんと治療して、「様子を見る」ことが大切です。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

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