B医師「治療中に急変した患者は別ですが、ここの腫瘍内科ではみとりはしません。ですから、これからはどこか好きなところにかかって下さい」
Aさん「好きなところと言われても……。私は小さい頃から、風邪をひいても急性腸炎になった時もこの病院にお世話になってきました。ですから、ずっとこの病院で、と思ってきました。家も近いですし、ここに通うのはいけませんか?」
B医師「腫瘍内科では、少ない医師でたくさんのがん患者さんの治療をしなければなりません。了解して下さい。では、宛先は書かずに、経過を記した診療情報提供書をつくっておきます。次回までに好きなところを決めてきて下さい。これからは、あなたらしく生きることを基本に考えて下さい」
Aさんは、ここが近所の病院なのにもっと遠くの病院に行かねばならないのか? そしてあなたらしく生きるとは……どういうことか? などと考えながら自宅に帰りました。
がんと向き合い生きていく