バイオ企業が国内初の保険的用 遺伝子治療薬は拡大するか

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 5月にはノバルティスファーマ(本社スイス)が開発したリンパ腫、白血病を対象にしたがん治療薬「キムリア」も国内で保険適用が承認されている。

 医薬専門誌編集長が最近の遺伝子治療についてこう解説する。

「キムリアは病原体を攻撃するリンパ球の一種T細胞を患者から採取し、遺伝子を改変して体内に戻す『CAR-T細胞療法』です。保険適用でも薬価は3349万円と国内で過去最高の価格です。また遺伝子治療薬では、2歳以下の乳幼児が命取りとなる脊髄性筋萎縮症の治療薬『ゾルゲンスマ』が米国で5月に承認されています。薬価が2億円を超す世界で最も高い治療薬ですが、治療を受けなければ死亡する患者がこの薬1回の投与で治るんです。20歳までこの病気の治療を受けたとして、総医療費はゾルゲンスマの薬代の方が安くなる。日本でも年内に承認、販売予定です」

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