「臭覚検査」をきちんと受けるべき理由 鼻と嗅覚と記憶障害

子どもは勉強嫌いにも影響(C)PIXTA

 それだけ重要な感覚器にもかかわらず、自分の嗅覚が正常か否かの検査を多くの人が受けていないのはなぜか。

「医療機関が嗅覚検査に消極的だからです。嗅覚検査は手間暇がかかりすぎるからです」

 通常、耳鼻咽喉科医院で行われる嗅覚検査は①静脈性嗅覚検査②T&Tオルファクトメーター(基準嗅覚検査)③においスティック(スティック型嗅覚同定能力検査)④オープンエッセンス検査(カード型嗅覚同定能力検査)だ。

①はアリナミン注射液を静脈に注入して、注入開始からニンニク臭を感じ始めるまでの時間と感じなくなるまでの時間を計るもの。②は5種類の基準臭それぞれに8段階の濃度を設定。におい紙の端に8段階の濃度の液を浸して濃度の薄い方から提示して匂いを感じるまで濃度を濃くしていく方法。③は日本人に馴染みのある12種類の匂いの名前を選択肢から選ぶやり方だ。④は③のカード型である。

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