がんが進行して激痩せするのは、いくつか理由があります。第1は、栄養源のブドウ糖の消費量です。がん細胞は、増殖のため大量のブドウ糖を消費します。本来は正常細胞を養う分も横取りするため、患者の体は痩せるのです。
第2は炎症で、がん細胞は炎症を引き起こす物質サイトカインを分泌する一方、免疫細胞ががん細胞を攻撃する際にも炎症が発生。これらによって末期がんになると、熱を出しやすい。腫瘍熱と呼ばれます。慢性的な炎症はエネルギー消費をさらに高めるため、体がより痩せやすくなるのです。
第3は、タンパク質を分解する性質で、がん細胞はタンパク分解因子を分泌して、筋肉のタンパク質をアミノ酸やブドウ糖に分解。それらを取り込んで、自分の栄養にします。がんが進行すると、見た目にも肉体的にも痩せ細るのです。
■腸は人体最大の免疫装置
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁