また、日本と海外のデータから見ると、患者の死亡率が低いBMIは20~25と幅がある。一方、75歳以上ではBMI25以上が、死亡率が低い。
さらに肥満の人は体重減少のために適切な摂取エネルギーを設定しなければなりませんが、体重が増えるほど消費エネルギーは増加するので、「BMI25以上の人は摂取エネルギーを○△キロカロリーに設定」などと一概に決められない。
つまり、これまでのBMI22を基準にした生活習慣指導(特に食事指導)から、患者さんの運動能力を含めた個々の条件に応じた生活習慣指導が必要なのではないかと考えられるようになってきたのです。これら“BMI論争”に関しては、今後十分なコンセンサスが必要であるものの、私個人としては、BMI25をはるかに超えると問題ですが、22~25の範囲なら、BMIで判断するのではなく、筋肉量を重視すべきだと考えています。
進化する糖尿病治療法