更年期を知って夫婦円満

ママは風邪を引かない超人…と子どもたちは思っているけど

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 先日、育ち盛りの子どもが3人いる同級生(49)と会う機会があり、更年期について話を聞きました。

 彼女はとても元気で忙しくしていて、「体調に悪いところがない」と言います。婦人科検診を受けているかたずねると、検診は一度も受けたことがないとのこと。

 彼女の職場は同年代の女性が多く、子宮筋腫など婦人科系の病気で悩む人もいるせいか、閉経や婦人科系疾患には少々詳しい。でも、同僚の病気は他人事のような印象でした。これは彼女に限らずよく聞く話で、出産以来婦人科に行ったことがない女性は少なくありません。

 子育てを終えた別の同年代の女性にも話を聞きました。「子育てをしている時は調子が悪くても薬を飲んで家事をした」「子どもが風邪やインフルエンザにかかるとすぐに病院に連れて行ったが自分の風邪は市販薬で乗り切っていた」といった具合。多少の熱があっても薬を飲んで仕事に行く働き盛りの男性にも同じことが言えるのではないでしょうか。夫婦ともに、子育て中は自分が頑張らなければ子どもたちが困ると、自分のことを二の次にして無理をしてきた世代です。

 多少無理の利く体を支えていたのは、女性も男性も性ホルモンのおかげ。男女ともに加齢が進むと、ホルモンの分泌量も減少し健康維持が知らぬうちに難しくなっていきます。自治体から送られてくる検診の手紙や同世代の方の体の不調はその知らせかもしれませんね。

 子育て中は寝込むことをせず頑張ってきたせいか、先述の子育てを終えた女性は、子どもたちから「ママは風邪もひかない超人」と思われている様子。自立しても、両親の体調を気遣う言葉をかけてもらったことがないと嘆きます。

 そうなると、体調を気遣うのはお互い夫婦だけとなります。不調は年のせいと我慢したり自分は大丈夫と思わず、夫婦でお互いに声を掛け合って受診をしたいものです。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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