自発的に勉強する子を育てるのに「やってはいけない」こと

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■行動の「ABC」を変える

 道地氏がまず出した例は、アメリカの心理士ジョン・ワトソンの研究だ。それは、ネズミを見た子どもは最初好きでも嫌いでもない反応を示すが、ネズミを見るたびに鉄パイプとハンマーで騒音を出すという条件刺激を与えるとネズミを怖がるようになり、そのうち白くてフワフワした毛のネズミと同様の、白くてフワフワした毛のウサギや白い髪の毛やあごひげのサンタクロースも怖がるようになったというもの。

「条件刺激は逆効果で、だんだん嫌になります。勉強に対して叱る、注意をするも条件刺激で、最初は書くのが嫌だから宿題が嫌だ、そのうち数学も丁寧に書かなくてはいけないから嫌だ、となっていきます」(道地氏)

 こうならないためには行動の「ABC」を知り、「C」を変えることだ。行動の「A」は「~の時に」(先行条件)、「B」は「~したら」(行動)、「C」は「~だった」(結果)。たとえば、「宿題の時間の時に(=A)」「文句を言いながらもやり遂げたら(=B)」「お母さんが、宿題をやり遂げたことを褒めてくれた(=C)」。

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