市販薬との正しい付き合い方

同じ葛根湯でもメーカーでエキス量に2倍の差が出ることも

 また葛根湯には7種類の生薬(葛根、大棗、麻黄、甘草、桂皮、芍薬、生姜)が含まれますが、その構成割合も異なります。ツムラの製品は生姜が多いですが、本草やクラシエの製品は葛根がツムラの2倍含まれています。

 次に組成が異なる例として「補中益気湯」を見てみます。オースギやクラシエは黄耆、人参、白朮、当帰、陳皮、生姜、大棗、柴胡、甘草、升麻の10種類で構成されているのに対し、ツムラの製品は白朮↓蒼朮に、本草の製品は生姜↓乾姜に代わっています。

 これらの差がどのくらい効果の差を生むかどうかまでは、はっきりしていません。しかし、この微妙な差によって「自分に合う、合わない」が生じる可能性もありますので、知っておくとよいでしょう。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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