膵がんを知る

科学的根拠にもとづいた発症リスクを上げる6つの要因<1>

肥満も膵がんのリスク要因(C)日刊ゲンダイ

 第一度近親者に2人以上の膵がん患者さんがいる場合は特に膵がんの発症リスクが高いため、家族性膵がん家系といわれます。第一度近親者の中に50歳未満の発症者がいた場合は膵がんの発症リスクはさらに高くなり、通常の人に比べて9.31倍増加することが報告されています。

 また、膵がんの患者さんの近親者には胃がん、卵巣がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん、肺がんなど膵がん以外のがん患者さんが多いのも特徴です。

 2つ目が特定の原因遺伝子により家庭内で膵がんが多発する遺伝性膵がん症候群の人たちです。遺伝性膵炎のほかに遺伝性乳がん卵巣がん症候群、家族性大腸腺腫ポリポーシスなどがこれに当たります。

 2世代以上にわたり複数の膵炎患者がいて胆石やアルコールが原因でない若年層が発症した場合を遺伝性膵炎といい、そういう人の膵がんリスクは通常の53~87倍も高く、喫煙歴があると膵がん発生の平均年齢が40代になるなど、リスクはさらに高まることがわかっています。

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