独白 愉快な“病人”たち

伊奈かっぺいさんは脳梗塞で「病気ネタがたくさんできた」

伊奈かっぺいさん(C)日刊ゲンダイ

■治療は血をサラサラにする点滴を3~4日だけ

 翌朝、目覚めたら左手はしびれて動かないし、右手には点滴が刺さっていて、なんでどうせ動かない左手にやってくれないんだろうと思いましたね。それでも、右しか動かないので肘を曲げてヒゲの伸び具合を確認したりしました。すると点滴の管に血が逆流して赤くなったので、ちょっと面白くなって、どこまで曲げたら赤くなるか、どっかでロゼにならないかな……なんて試して遊んでましたね。

 脳梗塞といっても、本当に軽かったんだと思います。治療は血をサラサラにする点滴を3~4日だけ。その後は経過観察でトータル2週間の入院生活でした。楽しかったといったら不謹慎ですけど、有意義でしたよ。出てくる食事は全部イラストにしましたし、仕事としてカレンダー用のイラストも描き上げました。なにより“退院祝い”としてタオルを作ろうとなって、そのイラストも描いていましたからね。もちろん日課の絵はがきも欠かしませんでした。

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