面白いのは、O型以外の血液型も膵臓がんのリスク要因とされていること。米国の国立がん研究所が発表した論文では、O型が膵がんになるリスクを1とした場合、A型は1・32倍、B型は1・72倍、AB型は1・51倍になると報告しています。ABO式血液型を決定する領域における遺伝的変異が、膵がんリスクと関連するからです。
また、さまざまな臓器に影響を与えることがわかってきた歯周病も、膵がんに影響するといわれています。歯周病菌の代表的な菌であるギンギバリス菌の保菌者は1・6倍、同じ歯周病菌の一種であるアクチノミセテムコミタンス菌の保菌者は2・2倍、膵がんリスクが高くなるという研究発表もあります。
他にピロリ菌感染の人、胃潰瘍の経験のある人やB型肝炎ウイルス感染者も、膵がんリスクが高まるといわれているのです。
(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)
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