耳鼻科専門医が警告 あなたの「副鼻腔炎」が治りづらい理由

歯が原因が6割以上(C)日刊ゲンダイ

 顔の真ん中にある鼻の中にある空気の通路を正式には「固有鼻腔」と言う。副鼻腔はその周りにある閉鎖空間のことを言い、「上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞」が左右2つずつ合計8つに分かれている。副鼻腔は奥で歯や目に隣接しているとともに、いずれも固有鼻腔と一部でつながっている。

「上顎洞は左右の頬の内側、篩骨洞は左右の目の間の奥、その上に前頭洞があり、篩骨洞の奥の方に蝶形骨洞があります。それぞれの内部は空洞で、空気が入っており、薄い粘膜がついた骨に囲まれています。粘膜にはびっしりせん毛が生えていて、異物を排除する働きがあります。こうした構造になっているのは頭部を軽くしたり打撲時の衝撃をやわらげるためです」

 副鼻腔のなかで歯との関係が強いといわれているのが上顎洞だ。上歯の根の先が上顎洞に近いため、歯及び歯周組織の炎症が容易に上顎洞に移行する。とくに小臼歯、大臼歯の虫歯や歯ぎしりなどの物理的刺激から歯髄が感染し、その炎症が上顎洞の洞底を浸潤していくと上顎洞粘膜に炎症が広がり上顎洞炎を併発する。これが放置され、慢性副鼻腔炎になるという。

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