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例年より早いインフルエンザ流行で…糖尿病患者は大ピンチ

高血糖になると抵抗力がなくなる
高血糖になると抵抗力がなくなる

 10月に入ったというのに、日中は夏に逆戻りしたような暑さだ。予報によると、土曜日の東京は最高気温が30度に迫った。

 そんな中、今週“インフルエンザ流行”のニュースが飛び込んできた。東京都福祉保健局によると、「定点医療機関の患者報告数が、第38週(9月16~22日)時点で、流行開始の目安となる“定点あたり1・0人”を超えた(1・06人)」と注意を呼び掛けている。

 集団発生による幼稚園や小中高校の学級閉鎖も目立っており「9月2~22日」では、合計34件に上った。昨年同時期は、わずかに8件。例年、インフルエンザの流行が始まるのは12月ごろからだから、約2カ月も早くウイルスがうごめき始めたということか。

 インフルエンザ流行と聞いて、糖尿病患者は人一倍敏感にならざるを得ない。一般に、高血糖になると抵抗力がなくなるといわれ、感染症にかかりやすくなるからだ。

 実際、日本糖尿病学会では、「血糖コントロール不良の糖尿病患者は、細菌、結核菌、真菌に感染しやすく重症化しやすい」としている。

 とくに、インフルエンザにおいては、糖尿病患者は「インフルエンザおよびそれに続発する肺炎による死亡リスクが高い」とも。50代以上のサラリーマンで、糖尿病治療薬を飲んでいたり、ヘモグロビンA1c値が高くて気になる人は他人事ではあるまい。

 参考までに、日本人糖尿病患者の死因上位は、悪性新生物、血管障害、感染症の順に多い。インフルエンザ対策は、小まめな手洗い、休養や栄養補給、そして予防接種が基本。今年は油断なき対策を心掛けたい。

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