進化する糖尿病治療法

「ゴルフ」「温泉」「ビール」の3点セットが脳卒中を招く理由

(写真はイメージ)

 やや肥満のAさんは、脳卒中を起こした当時、血糖値、血圧、LDLコレステロールは基準値の上限ギリギリ。

 ただし、これらの数値はプレーの半月ほど前、春の健診で測った数値なので、もしかしたら基準値を超えていたかもしれません。

 睡眠不足に加え、汗をかいて体内の水分量が減っていたこと、さらに温泉で脱水症状になったところへビールを数杯飲んで、より脱水症状が進んだことが脳卒中の引き金になったのでしょう。

 健康にゴルフを楽しむには、ぜひ次のことは守っていただきたい。まず、ゴルフの前日はお酒はほどほどにし、睡眠時間を十分に取り、体調を整える。「しばらく残業続きで疲労がたまっている」「睡眠不足が続いている」「ゴルフ前日に取引先との会食が入ってしまった」というような場合は、ゴルフを諦めるという勇気も持つべきでしょう。最悪の結果を迎えるようになった……という展開は、自身の判断で避けることができるのです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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