市販薬との正しい付き合い方

漢方を選ぶ際の注意点は「含まれる成分量の違い」のチェック

写真はイメージ

 同じ名前の漢方であっても、成分量や構成成分(組成)が違うものがあるという例をいくつか紹介してきました。

 近年、医療用医薬品は薬局で薬を調剤してもらう際、先発薬からジェネリックへと切り替えるのが一般的になってきています。漢方の場合、安易に他のメーカーに替えてしまうと成分が異なる場合があるので注意が必要です。逆に同じ名前の漢方であっても、「A社のものは効くが、B社のものは効かない」といったように、メーカーによる効果の違いが生じることもあるのです。

 薬を間違えて調剤してしまう調剤過誤で、「成分間違い」と同様に多いのが「規格間違い」です。薬の中には、1錠や1包に含まれている成分量が複数種類あるものが少なくありません。規格が複数種類あるという意味です。たとえば、アセトアミノフェン錠200ミリグラム、300ミリグラム、500ミリグラム……といったような違いです。この規格を間違えてしまった場合、少なければ効かない、多ければ副作用のリスクが上がるといった不利益が生じる可能性があるので、規格間違いは避けなければなりません。漢方の市販薬にも規格が複数種類あるケースがあります。要注意です。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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