独白 愉快な“病人”たち

若宮三紗子さん語る全身性エリテマトーデスとの壮絶な闘い

若宮三紗子さん(C)日刊ゲンダイ

 と同時に、目に見えることの裏側を考えるようになりました。実際、私も見た目には変化がなかったので、「サボっている」と思われてしまうことがありました。きっと、会社などでも心無い声につらい思いをされている病気の人がいると思います。でも、そんなことを言うのは「病気を知らない人、理解できない人」なんだと思って気にしないでほしい。

 こうした気づきは、人としてもスポーツ選手としても大きな学びでした。だからこそ、病気で人生を狂わされたとは思っていません。「もし健康だったら」なんてタラレバの話はしないと決めているんです。

(聞き手=松永詠美子)

▽わかみや・みさこ 1989年、香川県生まれ。幼少期から卓球を始め、立命館大学を経て日本生命の実業団選手として活躍。2010年から全日本選手権で女子ダブルス4連覇という偉業を成し遂げるほか、国内外の大会で数々の好成績を残す。2018年3月に引退し、初めて病名を公表。現在はTリーグの解説を中心に、講演会やパラリンピック関連、栄養コンシェルジュなどの資格を生かし、幅広い分野で活躍している。

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