膵がんを知る

すべてが怖いわけではない がんと間違えやすい膵臓の病気

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 胆石による膵炎は胆管と膵管の出口が共通なため、胆管から落ちてきた胆石が出口を塞ぐことで起こります。急性の多くは軽症で、入院して短時間絶食すれば治ります。しかし、その2割は重症化して膵液が膵臓を消化し、そのうちの1割は亡くなります。良性とはいえ油断のならない病気です。

 慢性は繰り返し炎症が起きて膵臓が小さく硬くなり、消化液やインスリンなどの分泌能が損なわれた状態をいいます。よく「酒飲みは慢性膵炎になる」といわれますが、そうとは限りません。膵臓でなく肝臓にきて肝硬変になる人、飲んでも健康な人とさまざまです。その違いはアルコールに対する遺伝子の感受性にあるといわれています。

 最近目立つのが、腫瘍性膵嚢胞です。腫瘍には良性と悪性があり、がんである悪性は「勝手に増殖」「転移・浸潤」「悪液質を発生」という特徴がありますが、良性は「勝手に増殖」しても他の特性がありません。良性、悪性にかかわらず治療は手術が基本です。

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